So-net無料ブログ作成

惜別 ジョー・スタッフォード [VOCAL]

 惜別 
 JO STAFFORD 

   ジョー・スタッフォードさん 1917/11/12 ~ 08/7/16

        テクニックは女性歌手のトップだ
      その気になれば16小節だって続けて唄える
                      フランク・シナトラ
                   
                          R・ヘミング D・ハイデュ共著
                                「スタンダードの名シンガー」 284頁

   jo1.JPG

              ELEGANCE
      
ジョー・スタッフォードさん 90歳の長寿を全うされました

僕の青春がまたひとつ散りました。  彼女には熟れた柿の実が今まさに樹から落ちなんという熟女の風情がありました。
進駐軍向放送(AFRS/FEN)から流れるジョーの唄声を、一節たりとも聞き逃すまいと必死の思いでオールウェイヴのラヂオに耳をそばだてたあの日、あの頃が走馬灯のように思い出されてまいります。

   Jo_Stafford_2.jpg

忘れもしません。曲は <IF イフ>。
<If they made me a queen…> と唄い出すこの イ~~~~フ にジョーのすべてが集約されています。水晶の如き透明度の高い美声、真っ直ぐに伸びる独特の唱法。この イ~~~~フ を耳にするだけで催眠術にかかったようになりました。曲を聞き終りますともうメロメロ。授業中もジョーの歌声が耳から離れません。先生の声なんて上の空でしたねぇ。
コロムビアのL盤からこの「イフ」が発売された日(51年10月 L-47)レコード屋にまっしぐら、となったのは言うまでもありません。B面には「It is no secret」 という曲が入っていたのを今でもはっ
きりと覚えています。この発売より少し前にジョーの「テネシー・ワルツ」が出ていますが(57年7月 L-45)、どうも僕はあの頃からカントリー調の曲は身体に入らず、母親にねだるレコード代の使途はこの「イフ」にピッタリと照準を合わせておりました。

       j.JPG    


      Jo_Stafford.jpg

ジョーは加州の出身ですが、家族がテネシーの出身だったのでカントリーも自然とレパートリーに入っていました。その巾の広さも出世の武器だったようです。レコードがSPからLPに取って代り、テーマを持ったアルバムが発売されるようになりますと、単発一曲という歌手は次々と消えて行きます。その<LPアルバム>で最初に100万枚を売り上げるゴールデン・ディスクに輝いたのはクロスビーでもシナトラでもなくわが ジョー だったのです。

   2.jpg
     トミー・ドーシーのバースデイ シナトラと

フル・スピードで彼女の足跡を追ってみましょう。
唄い始めは家族でグループを組んだ「ザ・スタッフォード・シスターズ」。カントリーでした。35年ラジオ界デビュー。41年トミー・ドーシー楽団に入ります。世に名だたる<パイド・パイパース>のリード・ヴォーカルに抜擢。戦後はVOA(ヴォイス・オブ・アメリカ)と契約。その声が日本に届いたのです。独立してキャピトル入り。51年ポール・ウエストンと結婚します。52年、CBSから 「YOU BELONG TO ME」 の大ヒット。業界はLP時代に突入。ヒット・アルバムを連発。60年、英国に渡りクロスビー、メル・トーメ、ローズマリー・クルーニイらとATVシリーズに出演。70年代に入る前に引退。文字通り彼女の唱法そのままのストレートな歌手生活でした。

   20080721_85105663.JPG
          最大の理解者 夫君 ポール・ウエストンと

さて、彼女の最高傑作ってどのアルバム? 僕の答えは 「全て」と言う他はありません。巷ではエリントニアンズと共演した 「ジョー・プラス・ジャズ」 だ、ということになっていますが、開き直って言うほどのことでなし。いつもと同じように、たまたま、バックがエリントニアンズだっに過ぎません。「霧のロンドン・ブリッジ」 「ジャンバラヤ」 「イフ」 のジョーが、そうそうたるジャズ・メンをバックに唄ったからと言ってガタガタ騒ぎなさんな、と言いたいのであります。

   2.JPG
                   晩年の二人

では数あるLPの中から大好きなアルパムを順不同で記しておきます。

※ 夫君ポール・ウエストンとの共演盤 「スインギン・ダウン・ブロードウェイ」(CL-1124)

※ ジャズ・アコーディオンの名手アート・ヴァンダムと 粋に、スマートに、心地よくスイングする 「ワンス・オーヴァー・ライトリー」(CL-968) 特筆大書しておきたいのはこの中で僕の大好きな「マイン」を唄っていること。僕にとって文字通りマインなアルバム。

※ トミー・ドーシーを偲んでハーツフルに唄う 「ゲティング・センチメンタル・オーヴァー・ トミー・ドーシー」(リブリーズ R-6090


※ 心ゆくまでジョーのバラードを堪能できる一枚 「アイル・ビー・シーイング・ユー」(CBS- 2520)

※ パイド・パイパースでの名録音が散らばる 「ザ・パイド・パイパース」(FPC-88X 二枚組) ここではシナトラやジョニー・マーサーとの歴史的名唱が聴かれます。特にジョニー・ マーサーと唄う「キャンディー」は僕の宝物!

並べ出しますとキリがありません。
今日はずっとジョーを流しっ放しです。たまたま今、流れているのが 「I’ve got the world on a string」です。まさに彼女はヴォーカル界を我がものにしましたね。感無量です。

いついつまでも聴き続けることを改めてジョーにお約束してお別れしたいと思います。

トランペット・ヴォイスよ ベルベット・ヴォイスよ、さようなら…素敵なお唄を有難う!!! 

  3.JPG

20080722_180552078.JPG20080722_180332898.JPG20080722_180612998.JPG20080722_180634939.JPG20080722_180726874.JPG
20080722_180706695.JPG20080722_180744720.JPG20080722_183506380.JPG20080722_183616441.JPG20080722_183644822.JPG
20080722_183707314.JPG20080722_183939272.JPG20080722_184435228.JPG1.jpg20080722_184514695.JPG

今宵はこれにて…


  


2008-07-23 13:57  nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 5

konidolfine

彼女の声を聴いていていつも感心するのは、声の輪郭には全くエッジを感じないのにちゃんと声のツブが立っている事です。
「並の」一流歌手ならエッジを鋭くしてノリを良くするところですが、彼女の声はフワリとしているがフニャフニャでなく、丸みがあるのにアタックが利いているという、実に素晴らしい唄いっぷりでしたね。

私はドーシー楽団を愛好したところから彼女を知ったわけですが、ジャズをベースとしたシンガーであると同時に、ジャズから離れたさもない曲では彼女の魅力が一層発揮されていると思います「ビビディ・バビディ・ブー」などはその典型じゃなかったでしょうか。
by konidolfine (2008-07-25 18:24) 

bobcat

konidolfine さま

彼女は シンデレラ・G・スタンプやダーリン・エドワーズ という名で滅茶苦茶の冗談音楽を録音しています。唄っているのがジョーだとは誰にも分からないままでしたがミリオンセラーになったところで、ヴェールを脱ぎました。それでも人は信用しなかったそうです。後年、この録音を検証しましたところ、リズムは正確。調子っぱずれと思われた音程も四分の一音、実に正確に低く唄っていることが分かりました。いかに彼女のが卓越した歌唱力の持ち主であったかが改めて実証されました。

引退後もエリントンやファッツ・ウォーラーの曲をダーリン・エドワーズの名で録音するといったお遊びをしています。

精いっぱい、楽しい歌手人生をおくられましたね。
冥福を祈ります。

なを仰せの曲は女性ではヴェルナ・フェルトン、ダイナ・ショア、男性ではペリー・コモ だったように思いますが…。(小生の記憶違いでしたらご免なさい)

早速にお越しいただき、有難うございました。
by bobcat (2008-07-25 20:48) 

bobcat

konidolfine さま

ジョーの「ヒビディ・バビデ・ブー」
改めて聴きました。当時あまり印象に残っていなかったのですが、さすがですね。

大切にします。
by bobcat (2008-07-31 10:16) 

Paul

数多くの歌手にカバーされたTuneの内の一つ Autumun in New York 。
大学を出て就職した米国の会社では、即 NY 本社勤務。その帰ること無い青春時代の懐かしいNY の想い出を一番想い起してくれるのが
Jo Stafford !その彼女も旅立ち寂しくなりました !
I never forget you、Thank you !
by Paul (2011-03-14 22:24) 

bobcat

Paul さま
古い記事にお書込みを頂きびっくりするやら嬉しいやら…。

聴き終ったあといつまでも余韻の残る魔法のような声でしたね。
彼女への想い絶ち難く、アナログ・コレクションからMP-3に変換して66曲を選び3枚のCDにまとめましたが、続編を作ってみたいなぁと思っていたところです。

本ブログは休んでいますが、下記サイト掲示板へもぜひお越し下さいませ。
有難うございました。
http://www2.odn.ne.jp/~cfj04890/ 
by bobcat (2011-03-15 07:50) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。