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木屋町夢譚 「おそめ」 [読書]

「おそめ」 ノン・フィクション 石井妙子 編  洋泉社刊 ¥1,890,

「あの頃、近所やった人がいっぱい出てくる面白い本が出た」と友人から聞いて飛びついたのがこの本です。何せ、主人公のママは小学校の先輩だし、本書で綿々と綴られて行くお家もお店も僕の家のすぐ近くでしたから、読んで行くうちに昭和三十年代の木屋町が髣髴として蘇ってきました。京都に著述が集中する前半は息つく間もなく読み上げました。

週刊誌などの興味記事として幾度となく話題を提供したママですが、この書は夜の世界を飄々として、しかも力強く生きた一人の女を、実に丹念に多くの人に接して調べ上げた労作です。3月19日付 毎日の書評欄「今週の本棚」でその辺のところは井上章一さんが詳述してらっしゃいました。

        

京女が祇園や先斗町でなく、お江戸は新橋のお座敷に出たというボタンのかけ違えから、このママの人生ドラマが始まります。東京指向のこの京女が京都に帰って今度は祇園から芸妓に出ます。井上流の京舞とは無縁でしたから祇園の芸妓衆の冷ややかないじめに合います。この辺のいきさつは生半可なドラマよりスリリングです。

祇園「大友」周辺の記述も興味津々でした。「大友」のすぐ隣に友人がいましたから白洲次郎夫妻エピソード吉井勇、谷崎潤一郎 らにまつわる艶話など友人の証言を得てさらに生きいきと伝わってきます。まさに昭和の絵草紙ですね。

バー「おそめ」には様々な人が行き交いました。さる野球選手が僕もよく知っているこの店のホステスとのスキャンダルで物議をかもしたことなどはさすがにカットされていました。その辺の取捨選択は、実名を伴うだけに至難だったことは容易に察しがつきます。聞けばこの著者の石井妙子さんは囲碁の局面解説なんかでお馴染の方と伺いびっくりしました。才女ですねぇ。

いやぁ、久しぶりに楽しく、懐かしい読書でした。

今夜はこれにて  …

思い切って過去の記事をみーんな消しちゃいました。スーッとしました。また始めま~す。


2006-03-24 07:45  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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